KORGから発売された超小型アナログシンセ「monotron」を改造して、グローブでピッチやフィルターのカットオフをコントロールできるものを作ってみました。

全体はこんな感じです。。
zentai view

両手とも、人差し指と中指、薬指にそれぞれ一つずつ合計3本の曲げセンサーが入っています。
右手はフィルターのカットオフの値をコントロールします。3本が直列に接続されているので、3本同時に曲げると激しい変化、1本ずつなら緩やかな変化になります。手首のボックスについているつまみは電圧の範囲を微調整できるようにしています。
fingers

左手は、右手と同じ仕組みでピッチのコントロール。他に、親指の部分にゲート信号用の誘電糸で作ったスイッチがあります。親指を曲げると通電しスイッチがONされる仕組みです。
thumb
大きなボタンはトグル式のボタンでゲートに割り当てられています。これを押すと鳴りっぱなしにできます。他の小さな8つのボタンは、メジャー・マイナーなどのスケールモードを切り替えます。つまみはピッチ信号の電圧変化のカーブ具合を調整するための可変抵抗です。左が10KΩ、右が1KΩです。
スケールの変換は黒いボックスの中に積んだArduino pro miniで計算させ、MCP4725モジュールでDA変換してmonotronへ送り込んでいます。なにせ相手がアナログシンセなため、正確な音程コントロールはむずかしかったです。抵抗値は温度でも変わってしまうらしくかなり繊細。一応可変抵抗をかませて調節可能にしていますが・・・。
Arduino pro miniの電源ですが、monotron内部で電源が5Vに昇圧されていたので、そっちからとるようにしました。無理かなと思ってましたが、意外と大丈夫でびっくりでした。おかげですっきりまとまりました。
left

それぞれのグローブはモジュール化されているので、どちらか一方だけ使うといったことも可能です。左手は「Vcc,GND,GATE,PITCH」の4端子ミニジャック、右手は「Vcc,GND,CutOff」の3端子マイクロジャックで接続します。
接続

とても演奏とはよべない代物ですが、デモ映像です。途中でスケールモードに切り替えています。


本当は、肘につけるモジュールもつくってフィルターのピークや、音量もコントロールできるようにしたかったのですが、monotron側でそのための端子を引き出すのが難しくて断念しました。でも、いつかやってみたい!
あと、monotron側の改造ポイントや各モジュールの回路図、pdeファイルなどもそのうち公開したいと思ってます。

最後になってしまいましたが、今回の改造にあたり下記の方々がサイト上で貴重な情報を公開して下さっていたり、直接ご助言をいただきました。この方々の協力なしで自力ではできなかったです。お礼申し上げます!

masa921さん
beatnicさん
Denkitribeさん
でんはさん


MTM05に出展したときの様子をlimmaさんに撮っていただきました。

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特設サイトにも掲載されました。
We love monotron (korg)