ネーミング

どうも、お初です、hirotaです。
主に、ことばの人です。

今回は、
「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」著者・黒川伊保子さんの新書をもとに、
ネーミングについて、述べます(実際に取材へ行きました)。

この本は、
ことばの音には、発音の生理構造に依拠した人類共通に与える潜在情報があるはず!
という仮説に基づいています。
ことばの音の響きには、潜在的に人の心を動かす力があるそうです。
原始人だって、息と喉、口腔、鼻腔、舌、歯、唇を使って音声を出していたはずだから、
現代人にも、その感覚は受け継がれているだろう、ということです。

身近なところで「名前」を例に挙げてみます。

karappo(カラッポ)を発音した時、体が感じるイメージ
・一見、カタそうだけど、丸いところもあってノリが良く、穏やか。
・全体的に明るい。
・ネアカ。

詳しく述べると(以下、長い!)

ka(清音)
【発音時の体感イメージ】
k音は、喉の奥を硬く締め、その喉の密着点に息をぶつけてブレイクスルーさせる。
その音が、硬い、強い質となる。同時に、密度の高い固体の表面を思わせ、金属や石などイメージさせる。
発音直後の喉は、丸い空洞を作る。
特に、kaは、母音aの曲面(カーブ)のイメージが残る。および、硬い、強い質を強調する。

アルファベット表記ではKに対し、Cがあります。
もしもK音のネーミングをする際に、KとCで迷ったら、
曲面・回転をイメージする製品であれば、Cを優先させた方がよいです。
従来、車の名前にはC表記がよく使われています。
ト●タに意図的にCが仕込まれているのは明かだそうで、カロ●ラ、クラ●ン、カ●リなど。
これもC表記が喚起するクオリアが、
硬い曲面のイメージから自動車の流線型のボディを、
回転のイメージから自動車の製品機能を彷彿とさせるため、
事象と文字が適合した、よいネーミングだからです。

ra(清音)
【発音時の体感イメージ】
r音は、丸めた舌の先を、上の歯の付け根あたりで弾いて出す音。
この弾く動きは、軽やかなリズムを生み出す。
ランラン、コロコロ、など、rの弾む感じは「ある質感が永続的に繰り返される自然法則のイメージ」を作り出す。
raは、まだまだ続く感じ、継続感のクオリアが強調される。

RとLで迷ったときは、
一般に、「麗しさ」を欲する女性市場にはR、「理」を欲する男性市場にはLと心得ておくとイイかも。

ppo(促音+半濁音・無声破裂音)
【発音時の体感イメージ】
促音「ッ」は、後続子音を強める。
ブレイクスルー系の音。この音が短い単語の中に重なると、ことばは吐き出すようなイメージになる。
つまり、po(ポ)は、ho(ホ)の暖かいイメージ+
明るくて印象は強いけれど、少し品のない潜在的な印象を引き起こす。

ho(ホ)は、舌の付け根周辺をほっこりと開け、
気官から出てくる息をそのまま一気に口元に運ぶことで出す音。
物理抵抗を受けない息は、気管の体温を温存したまま外へ出てくるので、暖かさの質を持っている。
特に、hoは口元の温度が高い。


言葉の音と人間の生理の関係は、商品、会社のネーミング、マーケティングにも使えるそうです。
そういう本は世に結構あるけど、知っておくとトクかも。

このガギグゲゴ本は、アマゾンや、個人的なブログでトンデモ本と中傷されていたり、
頭の良い高学歴な男の人ほど、信じないそうです。
でも、資●堂や大塚●薬、●通とかからも分析の依頼があるらしい。
鵜呑みにしろとは言わないけど、考え方の一手段にしてみればいいのに、と私は思います。
ちなみに、ソクラテスも、クラテュロス(プラトン全集2)で、
発音時の体感イメージと名前の適合について同じことを述べています。

Comments

mio wrote:

おもしろいね。
長い解説文に感動しました。

>明るくて印象は強いけれど、少し品のない潜在的な印象を引き起こす。

「っぽ」がウケました。
トヨタの車の名前に「C」が多いってのは知らなかった。
また何か面白いネタがあったら気軽に書き込んでね。

っていうか、実際に取材に行ったって何!?
Friday 21 July 15:34

terada wrote:

おーついに、ありがとうございます!
発音って、やはりあなどれない奥深さがありますよね。僕も曲に歌詞を付ける時などに、意味と音響の二面性みたいなところが意識にのぼります。興味深いです。またぜひ面白い話聞かせてくださいね!(ここにもどしどし書き込んでくださーい)
Saturday 22 July 00:56

hirota sachiko wrote:

ども、hirotaです。
自分でも長文過ぎて、しばらく訪問を遠慮してました(チキン)

>取材
著者・黒川さんの会社「(株)感性リサーチ」に行きました。この本は、私の研究内容と近いから、実際に詳しく話を聞こうという訳でした。

>曲に歌詞
えっ?!terada君、歌うの?!どきどき。
曲が先にある人なのかな。今、世話になっている研究室で、先に作詞して自分の思いを歌う授業研究している人がいるよ。

>意味と音響の二面性
これもおもしろいよね。
例えば、椎名林檎のギブスとか 
I wanna be with you

i 罠 B wiθ U
Tuesday 01 August 23:39

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